「あー…緊張するな。なぁ、何話したらいい?」
ヨシトがそわそわしながらそんな事を聞いてきた。
「知らねーよ。普通に遊ぶだけなんだからいつも通りでいいじゃねーか。」
「そりゃあ…そーだけどよ。」
ピンポーン…
もう1度呼び鈴が鳴った。
「おーいワタル、呼んでるぞ。」
「うっせーな。ちょっと今呼んでくるから、おとなしくしてろよ。」
ワタルはそう言って立ち上がり、部屋を出ていった。
「で、いつアスカちゃんの親父に電話する訳?」
「遊んでる時でいいんだろ?」
「いーけど、タイミングってもんがあるだろ。」
「タイミングってなんだよ…。いつ電話しても大して変わんねーって。」
「ぜってぇー変わるって!!」
「声でけーよ。下に聞こえちまうだろ。」
「……悪ぃ。」
「つーか、あっちの番号調べてあんのか?」
「会社の番号は調べたから、そっちに電話すればいいだろ。」
「誰がすんの?」
「リョウだな。」
「なんで俺なんだよ?」
「さっき自分でウソつくのがうまいって言ってたじゃねーか。」
決まりだな。



