「アスカ…?知らねーな。」


「絶対知ってるって。ほら、いつもチカと一緒にいるやつだよ。」



チカ…俺たちと同じ高校に通う女の子で、俺たちとも仲が良いやつだ。


そいつと一緒にいる子って…




「…あぁ〜、あの子か。」


確かに知ってる。



「で、その子がなんなんだ?」


ヨシトがワタルに聞いた。



「あの子の親父さ、IT関連の社長なんだよ。」


「マジで!?」


「あぁ。」


「って事は…。」


「まっ、そーゆう事だな。そのアスカって子を誘拐する。」



ワタルは自信満々に言った。


さっきから当たり前のように話しているけど、スゲー計画を立ててるんだな俺たち…。



「…出来んのか?」


「そこら辺は細かく考えねーとな。」


「いきなりヘマしたら終わりだもんな…。」


「あぁ。…とりあえず今日はここまでだ。暗くなったし詳しい事は明日決めよーぜ。」


「おー、そうだな。」



「んじゃ、また明日。」


「おー。」












俺たちの最低で最高な夏は



まだ始まったばかりだ。