一通りの話を聞いた俺たちは警察と別れ、トボトボと道を歩いていた。
「…………。」
だれも言葉を発しない。
長い沈黙が続いた時…
「ヨシト…?」
ヨシトがその場にうずくまった。
「…どーすんだよ……。全部…使っちまった…。」
ヨシトのその言葉には誰も返事しなかった。
【なんかあってからじゃ遅いんだよ】
姉ちゃんの言葉が重くのし掛かる。
「…娘さんが死んだら……間違いなく俺たちのせいだぞ…。」
ワタルもポツリと呟いた。
「…だからって、どーすればいい?今から200万集めろってか…?」
リョウも物凄く悩んでいるみたいだ。いつもの笑顔がまったく見られない。
「……集めるしかねーよ。」
そうするしかない…。
「どーやって…?」
そのヨシトの疑問に答えるだけの方法がまったく浮かばない。
「…出来もしねー事を口にするんじゃねーよ。」
俺が何も言わなかった事に苛立ったのか、ヨシトはそんな事を言った。



