「てっきりこの人は犯人が身代金を受け取ったものだと思ってたんだけど、実際は犯人が受け取ってないらしくてね。」
「…それで?」
続きを促すと、初めておじさんが口を開いた。
「身代金が用意されていない、と犯人は怒ってね。今月末までにもう1度200万を用意しないと……娘を殺すと言ったんだ。」
今月末…。
それまでに200万…。
頭の中でいろんな言葉がぐるぐる回る。
「確かに私は払ったんだ!!払ったのに……もう200万なんて用意出来ない…。」
そう言っておじさんは地面にうずくまった。
「まだ諦めないでください。…まぁ、そういう事だ。君たちもよろしく頼むよ。」
警察はおじさんをなだめながら俺たちにそう言った。



