「生きてるか?」
「おー…。」
久しぶりに会えたワタルの顔を見たら、少し笑えた。
「おい、坊主。」
さっきの男が話し掛けてきた。
「…は、はい?」
ワタルは少し震えながら返事をする。
「東京は怖いとこやで…はしゃぐのも程々にしときや。」
男はそう言い残してその場を去っていった。
それに続いて他の男も去っていく。
しばらくしてその場に残されたのは俺たち4人だけになった。
「……とりあえず帰ろーぜ。」
「…あぁ。」
「……ふぅ。」
あまりの迫力に呆然としていた俺たちだったが、リョウの一言で我に帰った。
「やべー小便ちびりそうだったよ。」
「俺もー。」
「学校の先生の100倍は怖かったな。」
「はは…確かに。」
「てか、ワタル何したんだよ?」
「別に何でもいいだろーが。」
「どーせ変な店に入ったんだろ?」
「入ってねーよ。」
「どーだか。」
久しぶりの4人での会話を少し新鮮に感じながら、俺たちは東京を後にした。