「……ここや。」
オッサンは人通りの少ない場所で立ち止まった。
「そこの角を右に曲がったらオメーらの友達がおるわ。」
「…どーも。」
「あー…緊張する。」
「……だな。」
リョウとワタルはキョロキョロと辺りを見渡しながらボソボソと話している。
正直…俺も心臓がバクバクだ。
とりあえず
オッサンに言われた場所を右に曲がると…
「……ワタル!!」
「アキラ!!」
すぐそこにワタルがいた。
ワタルの他にも知らない男たちが3人いる。
「50万…持ってきたんか?」
男の1人が口を開いた。
テレビで見るようなドスの効いた喋り方だ…。
「…はい。」
めっちゃ怖ぇ…。
「…渡せや。」
そう言われた俺はすぐに50万をカバンから取り出し、男に渡した。
「………おら、その坊主返したれ。」
50万ある事を確認した男は、部下と思われる男たちに指示を出した。
部下たちはその指示に従い、ワタルを俺たちの元へと返した。
「アキラ…。」
ワタルは申し訳なさそうな顔をしながらこっちを見た。



