『もしもし?』
ワタルだ。
「おぉ。大丈夫か…?」
ワタルの声を聞く限り元気はない。
『大丈夫じゃねーよ…。こっちは死ぬ思いしてんだからよ…。』
そーだな…。
「それで、どーするんだ?」
『あぁ、なんか駅の近くにスーツ着た人がいるらしいんだけど…分かるか?』
「…分からねーよ。スッゲーいるぞ、スーツ着た人。どんな人だよ?」
『知らねーよ…。ちょっと聞くから待っててくれ。』
そう言ってワタルは誰かと話し始めた。
『おいアキラ。』
「ん?」
『頭がツルツルのオッサンらしい。』
「ツルツル?……あれか?」
周りを見渡すと確かに頭がツルツルのオッサンがいた。
『いたか…?』
「分からねぇけど、今話し掛けてみるよ。」
『…あぁ。』
携帯を耳から離し、3人でオッサンの元へと向かった。
「すいません。」
「あ?」
オッサンは物凄い形相でこっちを睨んだ。
「…怖。」
リョウがボソッと呟いた。
確かに…。



