携帯を見るとワタルからだった。
急いで携帯を開き、耳にあてた。
「もしもし!?」
『ア、アキラか?』
ワタルは震えた声を発した。
「あぁ。何があったんだよ?」
『変なオッサン達に連れてかれて金も全部取られちまった…。』
「…マジかよ?」
『マジだよ…。それで解放してくれるのかと思ったのによ〜…。』
「ダメだったのか?」
『あぁ…。それでどうしたら解放してくれるのか聞いたんだけど…。』
「聞いたんだけど?」
『これ聞いたら絶対お前ら怒るって…。』
「いいから言えよ。」
『……あと50万あれば解放してやるって…。お前らあといくらある…?』
50万…?
「ちょっ…ちょっと待ってくれ。今聞くから。」
『悪い…。』
「なぁ…リョウ、ヨシト。」
「どした?」
「ワタルなんて?」
「…お前らあといくら持ってる?」
「俺は0円だ。」
リョウは誇らしげに言った。
「俺は10万……なんで?」
ヨシトは疑いの眼差しを俺に向けた。
0円に10万…
最悪だな…。



