いったい何様なのか、リョウは一点の曇りもない笑顔を俺に向けた。



「お前……ヨシトになんか仕掛けただろ…。」



でなきゃ、ヨシトが自分から飛び降りる訳がない。


「いや、別に。ただ…ヨシトに………」

「オラァ!!リョウ…テメー死ぬかと思ったじゃねーか!!」


リョウの言葉を遮ったのはヨシトだ。



ヨシトはワタルに支えられながらこっちに来た。


かなりの恐怖があったのだろう…顔は真っ青で息が荒い。



「ははは…おかえりー。」

「うるせぇっ!!」


ヨシトの怒りを軽く流すようにリョウは笑っている。



「はぁ…無事で良かったよ……。」


ワタルは安心したのか床に座り込んだ。

ヨシトも同じように座り込む。



「…で、何があった訳?」


俺はヨシトに飛び込んだ理由を聞いた。




「……リョウが…俺に目隠しして……」


「…目隠し?」


「…おぉ、それで訳も分からないままどっか連れてかれたんだよ。」


どっかってのは…


「…あそこだな。」



俺とワタルがさっきの場所を見上げた。



「……え゙っ!?……俺あんな高いとこから……」