「よぉー。」
外に出るとヨシトが真新しいチャリに乗りながら手を挙げた。
「来るの早ぇーよ。」
「悪ぃー悪ぃー。これ早く見せたかったんだよね。」
そう言ってヨシトはチャリを指差した。
「…どーしたんだよそれ?」
「買ったんだよ。これロードバイクって言ってさ、スゲー高かったんだぜ。」
まさか…
「…お前さっそく使ったの?」
「おー。これ20万もしたんだぜ。」
「20万!?」
「でもまだ30万もあるし、金あるっていいよなー。」
「……マジかよ。」
俺は唖然とするしか無かった。
「アキラは何か買ったのか?」
「…買ってねーよ。てか、50万使えねーわ。」
「はぁ!?なんでだよ?」
「いや、実はさー…やっぱやめた。リョウんち行ってから話すわ。」
どうせならまとめて言った方が早いだろ。
「んだよそれ、気になるじゃねーか。」
「まぁまぁ、とりあえず行こーぜ。」
「おー。」
時間も迫ってきたし、俺たちはリョウの家へ向かう事にした。



