姉ちゃんの言ってる事は正論だ。
けど、もう好きな事に使うって決めたんだ…。
第一…元々は200万あったんだ、今さら50万返しても仕方ない。
「…何かあってからじゃ遅いんだよ?」
姉ちゃんが不安そうな顔で言った。
「…分かってるよ。」
姉ちゃんのその顔を見たら罪悪感が襲ってきた。
「とにかく…持っててもいいけど使うのはやめなよ。」
そうだな…。
「分かったよ。使わないでおく。」
仕方ねぇ…俺が原因で何かあったら家族にも迷惑がかかる。
「そうしな。」
姉ちゃんも安心したのか笑った。
あ…
「親父と母さんには…」
「うん、内緒にしといてあげる。」
良かった…両親にまでバレたらそれこそ一大事だ。
「あ、アキラ。」
ふと姉ちゃんが何かを思い出したかのように口を開いた。
「ん?」
「ヨシトくんが迎えに来てたよ。」
「……それ早く言えよ。」
時計を見たら12時を回っていた。
てか、あいつ来るの早ぇーよ。
とりあえず俺は急いで顔を洗い準備をして家を出た。
50万を持って。



