『違う!!カズさんには何の罪もねぇ!!』
外からリョウの声が聞こえる。
『うっせぇんだよガキ!!』
『うわっ!!』
「リョウ!!」
カズさんがリョウを殴った…。
「クソッ!!行くぞ!!」
ワタルとヨシトも外へ飛び出した。
俺も2人の後を追う。
「ちょっと!!」
「チカ達はそこにいろ!!」
外に出ると異様な風景が目の前に広がった。
家の周りを囲む警察、リョウに殴りかかるカズさん、そのカズさんを抑えようとする警察とワタルとヨシト。
「…んだよ。」
何だよこれ…。
「…カズさん、ずるいよ。」
1人だけ罪被ってんじゃねーよ…。
1人でカッコつけてんじゃねーよ…。
1人で刑務所なんか行くんじゃねーよ…。
何でだよ…。
「アキラァ!!」
警察に抑えられたカズさんが俺の名前を呼んだ。
「テメーにはまだまだする事があるだろーが!!こんな事で人生を棒に振るんじゃねーよ!!アスカちゃんを絶対に幸せにしやがれ!!」
「リョウ!!テメーもだ!!最後ぐらいカッコつけさせろバカヤローが!!空気読め!!空気をよ!!」
「ワタル!!面倒見のイイお前がこいつらを抑える役だろーが!?俺みたいなジジイに止めさせんなよ!!」
「ヨシト!!お前臆病者なんかじゃねーよ!!ここまで来たんだからよ!!けどな、今は引っ込んでやがれバカヤロー!!」
「チカ!!アスカ!!お前らがこのバカ共を支えてやれ!!2度とこんなバカをやらねーようになぁ!!」
そこまで言ってカズさんはニッコリと笑った。
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