「…何するんスか?」
「別に大した事じゃねーさ。お前らはそこにいろ。」
カズさんはスタスタと外に向かって歩き出した。
「ちょっ……捕まるッスよ!?」
「捕まりに行くんだよ。」
「…はぁ!?」
足を止める事なく、外に出ていったカズさん。
すぐに姿が見えなくなった。
そして…
『今回の誘拐事件の首謀者は俺だ!!』
外からカズさんの怒鳴るような声が聞こえてきた。
「…カズさん、何言ってんだよ?」
カズさんの言葉に動揺する俺たち。
それでもお構い無しにカズさんは言葉を続ける。
『ここにいるガキ共に、女を誘拐して来なければ殺すと言ったんだ!!』
「おい…カズさん……。」
『ガキ共は素直に俺の指示に従ったぜ!!バカだから扱いやすかったよ!!』
「…まさか…俺たちを庇って……?」
『ホントは身代金を受け取ったら殺すつもりだったんだがよ!!うまく行きそうにもねぇんで、出てきてやったぜ!!』
「おい、いいのかよ!?」
「いい訳ねぇだろ!!ただでさえ銀行強盗の罪が残ってんだ!!そこに誘拐の罪まで重なったら……。」
『俺みたいな男とあんなクソガキ共が同じ容疑で捕まるなんて胸クソ悪い。あいつらガキ共は被害者だ!!』
「どーすんだよ!?」
「助けるに決まってんだろ!!」
リョウがそう言って外へと出ていった。



