「…ごめんなさいって?」
そう言って首を傾げたアスカちゃん。
「実はその200万…払われてたんだけど、俺たちが使っちゃったんだよね。」
「…え?」
俺は200万の事を、包み隠さず全て話した。
「そう…だったんだ。」
「あんた達サイテー!!」
唖然とするアスカちゃんと、怒りをあらわにしたチカ。
ホントに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「あの200万は絶対に働いて返すから!!許してくれ!!」
そう言って頭を下げたヨシト。
それに続いて俺たちも頭を下げた。
「はっはっはっ!!」
今まで成り行きを見守っていたカズさんが、いきなり笑い始めた。
「笑い事じゃないッスよ!!」
「いーじゃねぇか。誰も死なずに済むんだろ?結果オーライじゃんかよ。」
カズさんはそう言ってタバコに火を点けた。
そして…
「…この事件、無かった事にしちまおーぜ。」
そんな事を言った。
「む、無理ッスよ今更!!」
俺たちはどんだけ罪を犯した事か…。
「なーに、大丈夫さ。女子2人が男子の事を許すなら、の話だけどな。」
カズさんは女子2人を見た。
「私は全然怒ってないですよ。お父さんがお金を払ってくれてたって分かったから。」
カズさんの問いに対して、アスカちゃんは笑顔でそう答えた。
「まぁ、あたしもアキラ達が刑務所に入るところなんて見たくないし…方法があるなら許すけど。」
チカは口を尖らせながらも、そう言った。
その2人の言葉を聞いたカズさんは…
「よーし、決まりだな。」
そう言って立ち上がった。



