「さて…我々は50万ずつ手に入れた訳だが、何に使う?」
ワタルがふとそんな事を聞いてきた。
そういや使うとは言ったものの何に使うかはまだ…
「焼肉10人前。」
俺とヨシトが迷う中、リョウだけは即答した。
焼肉10人前って…
夢があるような無いような。
「それも悪くないな。」
ワタルはリョウの答えに素直に頷いた。
「…そんなんでいいの?」
正直疑問だ。
そんな俺の言葉に反応したワタルが言った。
「当たり前だろ。1つ言っておくけど、この金は!!他の誰の金でもない。もう俺たちの金だ!!」
「だから自分の好きなようにしたいように…自由に金を使っていいんだよ。」
果たしてそうなのかどうかは怪しいが、使うと決めた以上俺たちの金になったのは間違いない。
けど…
「…好きな事…か……。」
いざとなったら頭に浮かばないもんだな。
仕方ない…
「今は好きな事が浮かばねぇから家で考えるよ。」
俺はそうワタルに伝えた。
「…じゃあ、俺も家で考えるかな。」
ヨシトも思い浮かばなかったらしい。



