バカメンズ



荷台はガタガタと揺れたが、それほど気になるものでもなかった。






「さてと、あっちに着いたらどーするかな?」


ワタルが口を開いた。


「まずは身代金だろ。」


「んー…確かにそーなんだけど、カズさんの言った方法も有りかなって。」




「…囮、か。」


リョウのその言葉に、チカは首を傾げた。



「囮……って?」



「そーいや女子2人は聞いてなかったんだな。」


そう言ってワタルがさっきの事を2人話した。




「はぁー…カズさんもワルだね。」


チカは感心してるようなしてないような表情を浮かべながらそう言った。




「…その作戦でいくの?」


「俺は正直な話、囮になんてなりたくねーな。」



アスカちゃんの言葉に対し、否定的な考えを示したヨシト。





「…まぁ、捕まりたくねーのはみんな一緒だよ。」


ワタルの言う通りだ。



「けどなー、身代金をうまく貰えるかどうかも怪しくなってきただろ。…俺たち散々暴れて、警察も動いてるんだしよ。」


リョウがそう言った。





「はぁ〜…。」

「…だな。」




全くもってその通りだ。

もう残された時間も少ねぇのに、身代金どころか俺たちが助かるかどうかすら怪しいぞ…。







キィ…






「……なんだ?」



落ち込む俺たちを乗せたデコトラが突然止まった。