「お…おぉ〜。」
なんじゃこりゃ…。
トラックの荷台って汚くて薄暗いもんかと思ってたのに…
「部屋…?」
天井では照明が輝き、床には絨毯やソファーが置いてある。
さらには窓まで…。
俺の部屋より綺麗だぞ…。
「おっ、アキラ。スッゲーよな……カズさんって金持ちじゃねーの?」
そんな豪華な部屋…いや、荷台の中に置いてあるソファーでくつろいでいたワタルが言った。
「マジでー。カズさんから200万ぐらい借りれねーかな?」
ヨシトはとんでもない事を言っている。
「アスカちゃんの部屋もこんな感じ?」
「アスカの部屋なんかと比べたらダメだって。凄いんだよアスカの家。」
リョウの疑問にそう答えたチカ。
「やめてよチカ…。」
そんなチカの言葉に、アスカちゃんは迷惑そうな顔をした。
…否定しないって事は、チカの言ってる事は事実なんだろーな。
「…どんだけ?」
この部屋より凄い部屋ってよ…。
「お前らー、発進するぞ。ちゃんと扉閉めたか?」
運転席からカズさんの声がした。
「OKッスよー。」
扉を閉めたリョウが返事を返した。
「おー、そんじゃ……出発進行ー。」
バババババ…
デコトラはド派手な音を立てながら走り出した。