「……どこで聞いたんだよ?」
「それが思い出せないんだから苦労してんでしょ。」
チカは思い出せない事に苛ついたのか、いつもより強い口調で言った。
「…何キレてんだよ?」
「キレてないわよ…。あームカつく……なんでこんな時に限って記憶が曖昧なのよ〜?」
「記憶力が乏しいのは今に始まった事じゃねーだろ。」
「うっさい!!」
パンッ!!
「痛ぇっ!!」
相変わらず乱暴な奴だな…。
「はぁ…とりあえず行こ?その内思い出すかもしれないし。」
チカはそう言ってトボトボと歩き始めた。
「…チカには絶対に思い出せねーよ。」
遠ざかるチカの背中を見ながらそんな事をボソッと呟いたが…
「…後で覚えてなよアキラ。」
ちゃっかりチカの耳に届いていた。
…地獄耳め。