「…ちょっ……お前ら?」
「はいワタル。」
「さんきゅ。」
「はいヨシト。」
「おー。」
俺の胸中など知るよしもない3人は淡々とお金の受け渡しを行なった。
「…ちょっ………」
「はいアキラ。」
「はいはーい。」
「…じゃねぇ!!お前らさっきまで交番に届けるって言ってたじゃねーか!!」
危うくその場の流れに乗りそうだったが、なんとか抑えた。
「この際細かい事を気にするのは無しだ。男だろ?」
「使える金があるんだ。使いたい時に使わなきゃ男じゃねーよ。」
「今ある時間が大切なんだ。このチャンスを逃してからじゃ遅いんだよ。」
「…なんかカッコいい事言ってるつもりだろうけど、全然カッコよくないし根本的に間違ってるぞ。」
何なんだこいつらは…。
「まぁ、とにかく!!ちょうど何か弾けた事をしたいと思ってたところだ。」
ワタルがポンッと俺の肩に手を置いた。
「高校最後の夏だ。派手にいこーぜ。」
「そーだそーだ。」
そう言ってヨシトとリョウも俺の肩に手を置いた。



