「あ、そうだ。」
俺たちが喜んでたら、カズさんが口を開いた。
「お前らの内、誰か2人ほど捕まれよ。」
…へ?
「……カズさん何言ってんスか?」
何をいきなり…。
「ん?あぁ、変な意味じゃねーよ。さっきテレビで有力情報をくれた方には〜的な話してただろ?」
「あぁ…100万円のやつ?」
「そうそう。そこで、だ…俺が有力情報を警察に流せば、謝礼として俺に100万が手に入る訳だ。」
「……やっぱ俺らを売る気ッスか?」
「ちげぇーよ!!お前らには200万が必要なんだろ?だから俺が100万貰ったらお前らにやるよ。」
あ…
「そーゆう事ッスか…。けど、それじゃ100万足りないッスよ?」
「俺には信用できる友達がいるからな、そいつにも協力してもらう。そーすれば、俺と俺の友達で100万ずつ…合計200万だ。」
「…いや、けど…有力情報とか流したら俺ら確実に捕まっちゃうじゃん。」
「だから囮として、誰かが捕まれって事だよ。」
淡々と話をするカズさんとは対照的に、俺たちは動揺していた。
「誰かを囮に、か。その作戦に賛成出来る奴は?」
ワタルの問いに誰も答えない。
「……みんな反対か?」
「いや、それ以前の問題だろ。……カズさん、マジで信用出来んのか?」
リョウの言う通りだ。
たった30分ほど前に会った人間を信用しろなんて…難しい話だ。
もしかしたら…
金欲しさに俺たちを騙すつもりかもしれないしよ。



