「かくれんぼ、ねぇ…。」
カズさんがこっちを見た。
さっきまでとは違う、スッゲー冷たい目だ…。
「…おい、逃げるぞ。」
ワタルがそう言って立ち上がった。
「…別に逃げてもいいけど、女の子たちはどうすんだい?」
カズさんがフゥーとタバコの煙を吐きながら言った。
「……俺たちをどーするつもりッスか?」
ヨシトが口を開いた。
「…どーしようかな。あ、ほら……有力情報をくれた方には100万円だってよ。」
再びテレビに視線を落としたカズさんはクスッと笑った。
「俺たちを売るつもり…?」
「…しねーよ、そんな事。」
「え?」
「だってお前ら面白いし…どーせ、ワケありだろ?話してみろよ。」
カズさんはニコッと笑ってタバコを灰皿に押し付けた。
この人マジでイイ人だ…。
「なぁ…カズさんになら…。」
「あぁ、話しても大丈夫だろ。」
「だな。」
こうして俺たちは、カズさんに今まであった全ての事情を話した。



