そんなこんなで家の中に入った俺たちだけど、意外にも中は広くて綺麗だった。
「あの、お風呂借りていいですか?汗かいちゃって…。」
アスカちゃんが唐突にそんな事を言い出した。
「…風呂は沸いてねぇからシャワーだぞ?」
「あ、十分です。」
「タオルねぇんなら脱衣場にあるから。」
「あ、はい。…チカは?」
「あ、あたしも入る。」
女子2人は風呂場へと消えた。
なんつーか…
この男、心広いな。
「…で、お前らはどちらさん?近所の奴らじゃねぇよな?」
男は俺たちを見ながら話し掛けてきた。
その男に…
「僕ら県外から来たんですけど、この街で急遽かくれんぼしようって事になったんです。」
リョウが訳の分からない苦しいウソをついた。
「……ふーん。名前は?」
そこは素直に4人とも本名を言った。
「ふーん……アキラにワタルにリョウにヨシト、ね。ちなみに俺はカズ。」
別に聞いてねーけど、男の名前はカズだと分かった。
それより…
「…なんで家の中に入れてくれたんですか?」
「いや、なんか1人って寂しかったから。」
……
「カズさん、何歳?」
リョウが質問した。
「28歳。」
10コ上か…。
「いい大人が寂しいとか言ってんじゃねーよ。」
「ちょっ……ヨシト!!」
カズさんの年齢を知ったヨシトが暴言を吐いた。
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