衝撃を加えたせいか、ケチャップの中身が一気に噴き出した。
「うわ……気持ちわり…。」
破裂したケチャップのせいで……地面に倒れた警察とチカの頭、そして俺の腕は赤に染まってしまった。
「キャー!!人殺しぃ!!」
「け…警察の頭を割ったぞ!!血まみれだ!!」
周りにいた人たちはざわめいたり、叫び始めた。
おそらく俺が警察の頭を凶器でブッ飛ばした、とでも思っているのだろう。
まぁ…
このケチャップが本当の血ならば……それはそれは悲惨な事件になるに違いないし、騒ぐのも無理はない。
てか…
んな事考えてる場合じゃねぇ!!
俺は急いで地面に倒れたチカを起こし、再び走り出したが…
「くそ…!!」
多くの野次馬に行く手を阻まれた。
なかなか先に進めない…
そんな状況に苛ついた俺は叫んだ。
「テメーら邪魔なんだよ!!さっきの警察みたいに頭ブッ飛ばすぞ!!血(ケチャップ)まみれになりたくなかったら退けぇ!!」
その言葉に野次馬は固まり、そして一斉に逃げ出した。
すでに他の3人は逃げ切ったらしく、姿は見えない。
あとは俺とチカとアスカちゃんだけ…。
ありがたい事に、警察は野次馬に邪魔されうまく追ってこれないみたいだ。
そして…
出口まであと20m。
希望の光が見えたが、そこで1人の警察が立ちはだかった。
「市民の安全を守る警察として、貴様らの行動は……」
「うるせぇ!!」
バコッ!!
「キャー!!」
2人目の犠牲者が出た…。
無惨にも血(ケチャップ)まみれになった警察の後ろ姿を見ながら、俺たちは駅から無事…脱出した。