「まっ、まずは200万を無事に受け取らねーとな。」
その通りだ。
「月末までもうすぐだろ?」
「あと…10日ぐらいか。」
「10日か…。なんとか間に合わせねーと。」
「10日もあれば十分だろ。」
「そうでもねーよ。身代金を確実に受け取って、なおかつ警察に捕まらないよーに地元まで戻らねーと駄目だからな。」
そう言われると結構キツイな…。
「てかさ、あんたたち…200万を盗られたおじさんの名前とか住所って知ってるの?」
ふとチカがそんな事を言った。
その言葉に俺たちは…
「そーいや……」
「全然知らねーな。」
顔は知ってんだけど…。
「おい…ヤべーかも。」
「たとえ身代金を受け取って、警察に捕まらずに街に戻れたとしても……あのおっさん見つけねーと駄目って事か…。」
「それ全部を10日でやれってか……キツイな。」
間に合うのか…?
「けど、そんな広い街でもないしすぐに見つかると思うよ。」
何を根拠に言っているのかは知らないが、チカがニッコリ笑いながらそう言った。
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