「さーて……ありがたい事にこの電車は特急だからな、県外に行くまで1回も止まらねぇ。」
つまり…
「警察との衝突も1回で済むって訳か。」
「そーゆう事。あっち着くまでゆっくり休んでよーぜ。」
そう言ってリョウは深々と座席に腰掛け、寝た。
「着いたら起こして。」
「…やなこった。俺も寝る。」
「俺も。」
こいつら…さっきあんな目にあったばかりなのに寝るのかよ。
けど、あっちに着くまで2時間はあるな…
俺も寝るかな。
俺も他の3人のように背もたれを下げ、寝ようとしたが…
「寝させないよー。」
アスカちゃんに阻まれた。
「…寝させろ。」
「ダメー。話し相手いないと寂しいじゃん。」
「チカがいるだ……」
「チカも寝ちゃったもん。」
……チカのやろー。
「じゃあアスカちゃんも寝なさい。」
「寝ません。みんな寝たら着いても気付かないかもしれないよ?」
…それもそーだ。
仕方ねぇ…
「ワタクシで良ければ話し相手になりましょーオジョーサマ。」
「うむ、よろしい♪」
ったく、この子は…。



