「アルテミア!」

橋の下で、片膝を付きながら、放った女神の一撃は、敵を倒したけど、

僕が今まで見た中で、一番威力が小さかった。

普段なら、真上にあった橋をも簡単な、破壊していたはずだ。

アルテミアは、槍を杖代わりにして、立ち上がった。

妙な気を感じ、振りかえると、真後ろに今井友美がいた。

近くに来るまで、まったく気配を感じなかった。


「だ、大丈夫かなって…思って…」

少し冷や汗を流し、焦る友美は、話題を変えようとした。

「い、今の化け物を倒したの!い、一撃だったね!」

おろおろしながら、話す友美は明らかにおかしかったけど…アルテミアの体が心配だった。それに……。

「お前の友達は…助けられなかった。すまない」

立ち上がったアルテミアは、頭を下げた。

遠くから、パトカーのサイレンが近づいてくる。

女神の一撃の発動音を聞いて、誰かが通報したのだろう。

「そ、そうね……さっきの化け物にやられたのね…」

友美は、何とか表情をつくろうとするが、少し違和感があったが、

今は、追及してる場合ではない。

「橋をくぐり、反対方向に、逃げろ!今なら、間に合う」

アルテミアは、橋を向こうを指差した。

「だけど…」

渋る友美を、アルテミアは睨んだ。

「早くしろ!」

あまりの迫力に、友美は身を震わし、アルテミアを見ながら、一歩下がると、

体を反転させ、そのまま全力で、走りだした。

アルテミアはフラフラしながらも、まっすぐ立ち、

その場からテレポートした。



そこから、数キロ離れたビルの屋上に、降り立ったアルテミアから、少しインターバルをおいと…僕へと変わった。


アルテミアの…ダメージが、体に残っていたが、体組織がすべて僕になると、ダメージは薄らいだ。

普段なら、モード・チェンジとともに、すぐに変わるはずなのに…。

「アルテミア……」

僕は、アルテミアに話し掛けた。