「優花のことなら私が教えてあげるわ。だから、もう他の人に優花のこと聞かないで」

「何でだよ」

「何でもいいでしょ」

俺は生徒会長の言葉に頭がきて、鞄を地面に投げた。


「俺は優花が今何処にいるのか知りてえんだよ、優花に会いたいんだよ」

俺は拳を握りしめ、目からは涙が流れていた。


「優花に……会いたいんだよ。優花と話がしたい、優花の笑顔が見たい」

「何それ……、優花が好きなの?」

「違う!」

静かに風が吹き、周りからは部活中の生徒の声が響いてくる。


「まだ自分の気持ちに気づいてないのね。早くしないと、優花いなくなるわよ」

「え……? 優花は行方不明なんだろ?」

はあ……。

生徒会長は溜め息をつき、俺に近づいてきた。