校舎裏には秘密がある


「お、おはようございましゅ!」

しまった、これじゃまるで噛んだみたいだ。

みんな、冷たい視線を俺に向けている。


「きょ、今日の放課後、俺と一緒に遊びたい奴いたら遊んでやらないこともねえぜ? アイスの1つや2つおごってやろうじゃないか!」

しかし教室はしーんと静まり返る。

なんだこれ、俺こんなキャラじゃねえし!


「す、すみませんでしたあああ!」

俺は教室の戸を閉め、廊下に出ていった。


「俺、もう教室入れねえや」

廊下の窓を開け、外の空気を吸った。


「あれ? ここから校舎裏見えるじゃん」

今まで気づかなかった。

校舎裏は、俺の教室がある廊下側から見える場所にあった。


「優花いねえな。教室行ったのか」

「アハハ! まじウケる!」

俺が呟いた瞬間、教室の中から笑い声が聞こえた。