私は目にしたものが
信じられなかった


レフトを守っていた奴が
ワンバンしたボールに飛びついて3塁を踏むと
即座に1塁に投げた。


「アウト!チェンジして」


水みたいだった。
流れるような動きでダブルプレー。



ブブブ...ブブブ...

タイミング悪くメールが届く
塾の友達からだった。


『30分遅刻!山田先生キレちゃうよw』


そーだった!塾!
私は慌ててバス停まで走った。




その時はまだ知らなかったんだ。

君がこっちを見ていたことも

私がこれから恋に落ちることも




知らなかったんだ