ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-






「…し、愁!?な、ななななにやってんの!?」


湯気の向こう側に見えるのは、腰にタオルを巻いた愁。私は慌てて愁に背中を向け、湯船の中で身体を強ばらせた。


そんな私とは対照的に愁は身体を洗い始めているらしく、時折水の流れる音がするばかり。
さっきお湯に浸かったばかりだからいいもののこれじゃのぼせちゃうよ、と考えはしたけど愁の前で全裸をさらしてこの場をあとにする勇気もない私はただ息を潜めて湯船に浸かっていた。


(…どうしよう!?)




こんな事態は想像していなかったので当然近くにタオルもない。


そんな私を、愁はとろけるような甘い気持ちで眺めていた。