ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-






呆れたような。
泣きそうな、声。


その声と同時に私の身体は愁の腕の中に閉じこめられる。
かき抱くように背中に回された愁の腕は痛いくらいで、私は思わず小さくため息をついてしまった。


いつもの愁ならそんな私に気づいてすぐに力を緩めるのに、今の愁はただ私の肩に顔を埋めるだけで、最初こそ強ばっていた私の身体からだんだん力が抜けていった。



「何故我をかばった!?痛むだろうに、痕が残るだろうに何故!」


「し、愁が傷つくところなんて見たくないって思ったら、身体が勝手に動いて」


「―――戯れ言を!ぬしが我をかばう理由などなかろうに、何故、ぬしは…」