タクシーを降りて家に入る。


がらんとした部屋。
これから、ここで1人で生きるんだ。


そう思ったら涙が出そうになったけど、泣いてなんかいられない。
とりあえず、まずは食べるものでも買わなくちゃ。




私は喪服からニットカーディガンとジーンズに着替えた。その辺にあったバッグに財布と携帯、家の鍵を突っ込んで傘を片手に玄関を出る。


10分も歩けばいつものスーパーに着いて、私は真っ先に缶ビールを手に取った。
普段はあんまり飲まないけど、今日くらいは。


そんな風に買い物を進めていって、会計を終えてスーパーをあとにしたときだった。




(………猫?)