三人で食べる夕御飯もその後はつつがなく終わり、今は燈がお風呂中。 順番待ちの間、私と愁はバラエティ番組を一緒に見ていた。 「…菜々美」 不意に名前を呼ばれ、私は視線を向ける。 「どうしたの?」 「我と燈、髪の色も瞳の色も異なるだろう?…我ら妖弧は髪の色は多種あっても、瞳の色は金色のみ。………我だけが、異質よ」 テレビ画面を眺めたまま話し出した愁の意図が分からないまま、私は彼の話を聞く。 「里で我を慕うのは、あの燈のみ。異質のものを冷遇するのは人間も妖弧も同じ。…我は逃げてきたのよ」