そう返すと、梗の目がこれ以上ないというくらい見開かれた。
…そりゃそうだ。彼の思ったとおりの回答じゃなかったんだから。
それを見た愁は私の腰に腕を回し、梗を見て冷たく笑う。
「―――さて、菜々美。ここにおる我が弟、梗の処分で頭領の近従たちももめておる。ぬしはどうしたい?」
「どうっ、て………」
私が愁を見上げると、牢の中から梗が声をかけてきた。
「生かすも殺すも、僕の命は今頭領の決断一つに委ねられているという事ですよ。…尤も、あなただって僕を殺したいほど憎いはずです。殺せと、そうおっしゃってください」
そう言ってふてぶてしく笑う梗。それでもその瞳だけは笑ってなくて、どこか陰を帯びているのが私は気になって仕方がなかった。

