私は立ち上がり、そのまま愁について行くと屋敷の裏山に足を進めているのがわかる。
…歩くこと数十分、私たちが到着した先は小さな洞窟状の独居牢だった。
「―――兄様、と…!?」
日のあまり差さない牢屋の中、片腕を鎖で繋がれた状態で梗は座っていた。
もう片方の腕を通しているはずの袖はただ梗の動きに従って緩くなびくだけで、そこにはなにもない。
それに気づいて絶句している私を見て、梗は鼻で笑うと口を開いた。
「………僅かだけど僕たちと同じ匂いがする。転成なさったのですね。ただの人間風情が、永遠に近い命に踊らされたのですか?」
「違うよ。…愁と生きていくために必要だったから。それがたまたま人間より永く生きれるってだけ」

