ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-






それから数日後。


すっかり身体の痛みも亡くなった私は、初めて屋敷の外に一人で散歩に出かけていた。
…といっても、私の左手の薬指には以前壊れてしまったものと同じ指輪がはめられていて、何かあればこれが私を守ってくれるとのこと。


そうして散歩を続けて、里を見下ろせる高台に腰を下ろした私は指輪を眺めながら愁じゃない別の人のことを考えていた。



「…梗、どうなったんだろう」


―――そう、愁も燈も彼のその後について何も言わないのだ。






「…ぬしもたいがい物好きよな」


その声に振り返ると頭をかきながら立っている愁がそこにいて、私の腕を引いてどこかへ行こうとしている。