(そうだ。昨日、私…)


そこまで考えて、ふと自分の胸元に視線を向けると蚊に刺されたような赤い痕。…じゃなくて、いわゆるキスマークがつけられていた。



「………気分はよいようだな。これでぬしも目出度く我の仲間入りよ」


嬉しそうにそう告げる愁を見上げて私が照れくさそうに笑ってやると、愁は私を抱き抱えたまま立ち上がり、部屋を出てどこかに向かいだした。



「え、どこ行くの!?」


「昨夜あのあとぬしの身体を清めてはやったが、まずは風呂に入れてからと」


どうやって清めたんだ、と突っ込みたかったけど聞いたらいろいろ怖い気もしたのでされるがまま私は大人しく腕の中に収まったままでいた。