「―――いつか必ず愁を置いて死んで、…愁を悲しませて………ッ!」
日差しに反射してまぶしい滴。
どこまでも真っ直ぐで、我を魅了してやまない菜々美。
我は震える菜々美の唇をそっと塞いだ。
労るようにその唇を舐めあげ、舌と舌を絡め合う。
(もう、よい)
わかったから、それ以上泣いてくれるな。
熱い口腔内をなだめるようにかき回してやると、力が抜けてしまったのか菜々美は我にもたれかかってしまう。
ようやく二人の唇が離れ、二人を最後まで繋いでいた銀糸が途切れたのを見計らって我は菜々美の身体をきつく抱きしめた。

