メルラバ

「目」
「え?」
「目閉じてくれへん?」


困ったように苦笑する秋に、もうこれ以上は何を言っても無駄なんだなと知り、覚悟を決める。


とくとくと心臓が脈打つ。


ぎゅうっと、秋の服を握り締めて、ゆっくり瞳を閉じると…



唇に、今まで感じたことのない、やわらかな感触のものが、軽く触れて離れて、それがキスだとわかるまでに数秒かかった。