メルラバ

ぶつぶつと文句を言うように不貞腐れる私の横で、秋は困り果てている。


そして、長い長い沈黙のあと――

「ええの?」
と、秋が聞いてきた。

何がいいのか悪いのかよくわからない。

でも。

「だって…秋が叶えてくれなかったら、誰が叶えてくれるの」

私の、はじめてのことは、ぜんぶ秋のものだ。

だから、この小さなお願いを叶えられるのは、世界でただひとり。

秋だけ、だ。