20分ばかりの帰り道。

私のマンションの前につく頃には、空に薄い三日月が笑っていた。


「ほな、また」

繋いでいた手が、そっと解かれる。

頷いて、やっぱり別れ際は寂しいなと思う。

秋を見上げて、視線をさげて、なんて言ったらいいのかなと考える。