「…あかん。めんどくさい。唯、逃げるぞ」

険しい顔でぼそりと呟き、秋が私の手を引っ張る。

「烏丸さん、何かコメントを!」

店を出ようとする私達の背に追い討ちをかけるような一言が飛んできた。


秋は私の手を握ったまま、ピタリと立ち止まり、座敷から顔を覗かせている面々に「死ね!」と子供のように叫んだ。