メルラバ

「もー、なんやねんなあ。キリないやんけ」

困ったように笑って、秋が私の頭をいい子いい子する。


離れたくない。

私、バカな子供みたいだ。

駄々をこねる子供みたいに秋の服を引っ張って、堪えきれずに、ことんとその胸に頭を預けた。

秋の腕が背中にまわり、私の身体をやんわり抱き締める。


「唯、もう行かんと」
「…うん」
「うんうん、て。ちっともわかってへんやんけ」