震える喉で言葉が渋滞を起こして大騒ぎだ。

【す】と【き】が列をなして、外に出て行けるのを今か今かと待っている。

1通の間違いメールから始まった恋は、今、その奇跡の輝きを放とうとしているのだ。



胸を押さえて、息を吸い込んで。

「私も…」
「うん」


「…す、き」

はは、と。
秋が気の抜けた笑い声をもらす。

「なに、そのカタコト」

茶化して、笑って、秋の両腕が私の全てをさらっていった。