その日の夕方、性懲りもなく部屋に閉じこもってうだうだ悩んでいると、静寂を切り裂くように携帯が鳴り響いた。


マナーモードにしていたソレが、突然ブーッという音と共に、ガコガコとテーブルの上でのたうつ。

ガラス張りのテーブルの上、ストラップまでもが一緒にじゃらじゃら踊りだし、ひどく面倒な気分になる。


サブディスプレイで確認した名前は、秋だった。