店についてもタクシーから降りないで下さいという楡川さんの言いつけを守って、待つこと数分。


楡川さんに抱えられながら、秋が店から出て来た。

パカリとタクシーの後部座席のドアが開く。

「ほら、アキトさん。しっかりして下さいよ。唯さん迎えに来てくれましたよ?」

かなり酔っているらしい秋は、どさりと座席に座ったかと思うと、すぐに眠ってしまった。

楡川さんが、やれやれと肩をすくめる。