無言でスプーンを動かして、最後の一口を口にする頃には、冷え切っていた身体がぽかぽかと温かくなっていた。


カチリ、と、スプーンを置くと同時に、知らず涙がこぼれ落ちた。

ぽたり、ぽたりと。
雨粒のように落下しては私の膝を濡らしていく。

悲しいわけじゃない。

ただ、安心したんだ。

楡川さんが来るまで死んでいた心が息を吹き返したみたいでホッとした。

まだ大丈夫。
まだ頑張れる。

そんな気がした。