「いっ、た…」

何かが指に刺さった。

見れば、1通の封筒から、鈍く銀色に光るカッターの刃が封筒を破って顔を覗かせていた。


ぽたり、と。


右手の人差し指と中指から真っ赤な血が滴り落ちて、傷ついた指よりも心のほうが痛くって、血と涙が床の上で水たまりを作った。