『傷つかないための予防線』を張り自分の気持ちに保険をかけて、燃える前に燃えそうなものを処分するという楡川夏流の保身をはかったおかげだ。


もし、そうでなければ、私はここに立つことすら出来なかっただろう。


これなら思ったより早く平穏な日々が戻ってくるかもしれない。

だけど、その時の私は、やっぱりわかっていなかった。



本当の試練は、これからやってくるのだということに。