メルラバ

そんなことを思いながらキッチンへと行き、2人分のコーヒーを淹れる。

マグカップを両手にリビングへと戻ると、楡川さんはきちんと正座をして、例の雑誌に目をおとしていた。


「唯さんは、もう読まれたんですか?」
「まぁ…」

そうですかと呟き、「さて」と私に向き直る。

「今日はアキトさんに頼まれてここに来ました」
「秋に?」


「雑誌は明日発売ですが、更なるスクープを狙って記者が張っているでしょうし…

いくら変装してもアキトさんやジンちゃんでは目立ちすぎます。まぁ、その前にジンちゃんでは頼りにならないと思いますが…」


だから女装をして楡川さんが出向いた、と。